業務一覧

酪農は新しい技術を積極的に取り入れ、適切な飼養システムを構築することで飼養頭数を増やし、同時に乳質を向上していくことができます。当然、個々のスタッフの牛への愛情や日々の丁寧で精密な牧場業務が最も大切である事に変わりはありません。しかし、長期的に乳量と乳質を比例関係で向上していくためには、日々蓄積したデータをもとに、牛群や飼養環境、作業工程に改良を加えていくことが大切です。こうした取り組みが毎月の乳量・乳質の検定結果として現われ、長期的な改善の糸口となります。

RDFの仕事は、繰り返しではなく、一日一日の積み重ねなのです。

毎日の仕事

搾乳 RDFでは毎日、朝・昼・夜の3回搾乳を行います。パーラーは12頭ダブルのメインパーラーと6頭シングルのサブパーラーがあり、主要な搾乳牛とその他の牛(お産直後の牛や疾病牛等)を分けて搾乳します。こうすることで誤搾乳を防ぎ、搾乳スタッフの負担も大幅に軽減しています。
牛群管理 現在牛群は、搾乳牛・乾乳牛・育成牛を合わせて、13のグループで管理しています。状態の同じ牛をグループ管理することで搾乳の精度を上げ、作業の効率化が可能になります。牛群データはコンピュータで管理しているほか、独自の管理用紙にて詳細な記録を残しています。
飼料管理 2000㎡の混合飼料製造工場で4台のミキサーを使用し、飼料コンサルタントの作成したメニューに忠実に、それぞれの牛群に合わせたTMR調整を行い給餌します。TMRの5割を占める牧草は、アメリカ・オーストラリアの優良農場産のものを厳選して使用しています。
ミーティング 毎日、昼搾乳の開始前、引き継ぎも兼ねた現場ミーティングを行い、牛たちや設備の状態等、牧場内の情報を共有します。進行役は成牛課の若いスタッフが担当することで、新人育成の場としても機能しているほか、意見やアイデアを出しやすい環境作りにも配慮しています。
繁殖管理 一貫生産体系を採るRDFでは、長年にわたり優秀なDNAの系統繁殖を行うことで、精度の高い牛群形成を実現しています。受精適期の見極めには、目視に加え、牛群管理システムと連動して牛の活動量を測定する発情発見器を使用し、より精度の高い繁殖体制を構築しています。
哺育管理 生まれたばかりの子牛には免疫成分の多く含まれた初乳を与え、余った初乳は凍結保存します。また、生まれてすぐ耳標を取り付け登録作業を行い、トレーサビリティを確保します。幼い時期の管理が成長後の健康状態にも影響するので、きめ細やかな気配りが必要な仕事です。
牛舎管理 牛たちの能力を十分に引き出すには、清潔で快適な飼養環境が必要です。RDFでは、搾乳牛舎にフラッシュシステム(水洗装置)を完備しているほか、敷料のオガは2日に一度補充するなど、常に清潔な状態を保っています。また、夏場には散霧装置や散水装置を稼働させ、牛の体感温度を調節しています。
堆肥管理 RDFは、フリーバーン牛舎からの堆肥と、浄化槽で分離した固形分をブレンドし、コンポストやスクープ式発酵機で好気性発酵をさせて有機堆肥を製造しています。完成堆肥は、農家やホームセンターに出荷するほか、搾乳牛舎のベッドの敷料として再利用します。毎日約40tのふん尿を処理しています。
設備管理 牧場内には、牛舎、パーラー、浄化槽、トラクターなど数多くの大型機械や設備等が設置されています。RDFには、設備メンテナンス専門のスタッフが常駐し、ほとんどの設備の保全・修理を担当しています。専用の作業場で、溶接などの加工から大型トラックの修理まで、何でもこなします。

<RDFの一日の仕事の流れ>

毎週の仕事

隔週で、外部のコンサルタントを招き、飼料と繁殖の状況を確認し、TMRの混合比率や人工授精の方針を修正・決定し、全スタッフで共有します。また、このタイミングに合わせて課長クラスのスタッフでリーダーミーティングを行います。その他、有志で社外の専門家を招き、乳房炎対策等の業務に関する講習会を開催しています。

毎月の仕事

月に1度、牛1頭あたりの乳量、乳成分などのデータを集計した「検定成績表」が発行されます。この結果と、日々の牛群管理システムでのデータを照らし合わせ、改善への対策を講じます。また、月に2回削蹄師による削蹄を行います。すべての牛が年に2度削蹄されるよう年間計画にしたがって行います。